自然は友だち 一緒にあそぼ。

群馬県南西部に位置し14年前に万場町と中里村が合併し誕生した神流町。西上州の山々に抱かれ、神流川の清流が町を潤す。手つかずの自然を求めて移住する若い人たちを支援しようと、地域と行政は全力を挙げている。自然の中での暮らし、住民のぬくもりと地域で支え合う絆は、これからの町づくりに欠かせない最大の魅力となっている。

神流町

温かくお迎えします 田村 利男町長

7月の完成を目指して建設が進む「まちなみ団地」でまちづくりを語る田村町長
7月の完成を目指して建設が進む「まちなみ団地」でまちづくりを語る田村町長

まちなみ団地を建設

―人口減少に歯止めがかからない。高齢化率も県内では南牧村に次いで50%を超えている。

田村町長 仕事と定住をセットにして住民を増やしたい。雇用創出には木質チップの生産に取り組む。原料となる木材は豊富だが、林業の担い手がいない。木質チップの製造工場を再来年度造り稼働させたい。林業の再生にもつながり、将来的にはバイオマス発電にも取り組み、働く場を増やしたい。

―若い定住者を増やすためには。

田村町長 町内には民間の賃貸物件がない。町営住宅が現在54戸あるが、新たに単身用16戸、世帯用4戸の「まちなみ団地」を建設中だ。町の単独事業のため間取りや家賃に制約を受けない。家賃を低く設定し、これまで町外から通勤していた人に住んでもらいたい。一方で町外への通勤・通学者には、距離に応じて町内で使用できる商品券を配布し定住を支援している。

―人口減少とともに空き家の増加も課題となっている。

田村町長 町内には約500戸の空き家がある。賃貸や売買を支援する空き家バンクを設立したが、登録不足もあり供給が足りない。空き家活用の一つとして、麻生地区の築100年以上の養蚕農家を活用した宿泊施設を1年後をめどにオープンさせる。25人ほど泊まれる宿泊施設で、都会から来た人が農業収穫体験できる場にし、まずは交流人口を増やしながら町の魅力をアピールしていきたい。

地元食材のパンで 発信

高部 真由美さん(37)

新たな住まいとパン作りの拠点となる古民家再生に取り組んでいる高部さん一家
新たな住まいとパン作りの拠点となる古民家再生に取り組んでいる高部さん一家

緑のふるさと協力隊員として8年前に神流町に移住した。大阪生まれで神流町の場所も分からず、当初は不安ばかりだった。ところが住んでみると「きれいな川や山が身近にあり、町には温かく支えてくれる人も多く居心地がよかった」と町を気に入った。

6年前に水戸市出身で林業に従事していた直人さん(42)と結婚。長女・蕗ちゃん(4)と3人で暮らす。Iターン同士の2人は神流町で空き家だった古民家を現在再生中。町の補助金を一部利用した。天然酵母のパン作りに取り組む真由美さんは古民家に工房と販売所を併設する。

「地元の小麦や自分で育てた野菜を使ったパンを作る。パンの販売を通して神流町のこと、自然の中での暮らしを知ってもらえれば」と思いを語る。