長野原町
自然豊かな長野原町は「明るく活力あるまち」を将来像に、3年後の完成を目指す八ツ場ダムの社会基盤整備や観光振興策を進めると共に本年度から住宅改修補助や起業支援を始めた。子育て支援も積極的に行い、都市部からの移住促進に取り組んでいる。
町長 メッセージ
- 子育て支援
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- 保育所、幼稚園で夕方まで預かり保育
- 放課後児童居場所づくり事業
- 第2子以降の保育料を減免
- 第3子以降の出産祝い金1人15万円
長野原町は2019年に町制施行130周年を迎えます。
豊かな自然と多くの観光資源に恵まれ、先人のたゆまぬ努力により育まれてきた歴史・文化を継承しながら、八ツ場ダム生活再建事業、地域経済の活性化、少子高齢化、人口減少対策に全力で取り組んでいます。
安心して暮らせる快適な環境をつくり「おもてなしの町」になるよう、今後ともオール長野原の精神で、努力していく所存です。
パン作りに やりがい
中村裕季さん(27)は高校卒業後、町外に就職したが町に戻り、道の駅「八ツ場ふるさと館」が3年前に開業した時からずっとパン工房で働いている。料理が大好きで中学時代からパンを焼いていた。
「1日で最高720個売れた塩バターパンは、県外からの予約も入る。ネット発信してないのでバイクのツーリング客の口コミかもしれない。一人でも多くの人が町を訪れ、おいしいパンだと喜ばれることにやりがいを感じる。町に戻って良かった」と笑顔で話す。今は長野原高校の生活部が考案した、町のシンボルの丸岩をかたどった「丸岩メロンパン」をより食べやすく、購入しやすい試作にも取り組み、同校と検討を重ねている。
早朝、出勤する。不動大橋の橋脚が霧に包まれ「天空の橋」のように見える日もある。「商業施設は作れるけれど自然はつくれない」と感じる瞬間だ。
ダム湖畔で イベントを
今秋、老舗旅館の丸木屋4代目を継ぐ樋田泰彦さん(29)は、県内の大学を卒業後、伊香保温泉の旅館で修業を積んできた。祖父や父が立ち働く姿を見て育ち「安心させたい」と後継を決めた。
「特急の停車駅や高速バス路線があり、東京からのアクセスもいい。地域の祭りや伝統を大切にしてきた人情もある。多忙な日常から解放され、ゆっくりした時の流れの中、くつろいでいただける宿にしたい」と話す。
「坂があり、ひなびた温泉情緒のある谷の川原湯も良かったが、眼前に山並みが広がり光があふれ、四季の移ろいが以前より感じられる移転後のここも好き」と話す。
川原湯温泉全体の知名度を上げるために八ツ場ダム湖畔の平らな地形を生かしたスポーツイベントを開催し、自然を楽しむ健康志向の欧米人観光客や若い人にも来てもらえる町にしたいと静かに意気込んでいる。