ぐんま愛 ここに生きる 暮らしの魅力伝え

 若者の定住促進などを考える「ぐんま愛シンポジウム」が16日、前橋市のヤマダグリーンドーム前橋で開かれた。会場では「ぐんま就活ジャンプス 就活準備フェア」が同時開催された。就職活動に生かそうと、県内外の大学、短大などから多くの学生が参加し、積極的に情報収集した。

【交流会】定住促進へ一丸

開会・交流会には県、市町村、「ぐんま愛」キャンペーン協賛企業の関係者が集い、主催者らが人口減少対策への結束を訴えた。

 反町敦副知事は「1万8千人の高校卒業生のうち、県外に6千人が進学する。そのうち戻ってくるのは2千人。毎年4千人が県外に流出している。就職、結婚、子育てを契機に、戻ってきてもらえるよう人口減少対策、魅力あふれる群馬の実現に取り組んでいきたい」とあいさつした。

 県市長会の新井利明副会長は「藤岡市の高校1年生のアンケートで97%が『藤岡に戻って働きたい』という結果だった。これが『ぐんま愛』。若者に戻ってきてもらえるよう努力したい」と述べた。県町村会の茂原荘一会長は「Uターン、移住定住と言っても最後は働く場の確保が必要。若者を受け入れられる町づくりを進めたい」と決意を語った。

 この後、上毛新聞社の北村幸雄社長が「群馬の魅力を再確認し、後世に伝えていくのが狙い。シンポジウムが意義深いものとなることを確信する」と述べ乾杯。出席者らは和やかに歓談した後、同社の内山充専務が「新聞だけでなくイベント、ネットを通して群馬の魅力をPRしていく。一緒に頑張りましょう」と呼び掛けた。

【ぐんま群馬グンマ―掘り起こせ!古里の宝―】

温泉に新たな風を 関さん

同じ価値観を持つ 谷内田さん

 パネルディスカッションには四万温泉協会長の関良則さん、前橋市未来の芽創造課長の谷内田修さん、シンクトゥギャザー社長の宗村正弘さん、TAGO STUDIO TAKASAKI運営責任者の多胡邦夫さんが登場。上毛新聞社の大貫秀美・編集局地方部デスクを進行役に若者の定住促進などについて提言した。

 ―自己紹介を兼ねて活動内容を教えてほしい。

 関 協会長となり、ビジョンを検証する委員会やブランディング協議会、ヘルスツーリズムによる健康発信の研究などをしている。

 谷内田 赤城山ヒルクライムをゼロからつくった。タイガーマスク運動を支援するためふるさと納税を活用するようにした。寄付が集まってきている。

 宗村 7人でやっている世界で一番小さい自動車会社と自負している。大きな会社が作れない車を作るのがモットー。乗った人が笑顔で降りてくる車を作りたい。

 多胡 作曲家だが、スタジオのオーナーと言われることも多く、活動が浸透していると感じる。

 音楽業界は予算削減のしわ寄せが音源制作に来ている。音楽の街高崎で、勉強したい子の図書館、サッカーしたい子のグラウンドのように、音楽をしたい人のためのスタジオを作りたいと高崎市に提案した。3カ月先まで予約いっぱいの状態になったが、前例がないことだらけで、立ち上げまで2年かかった。

 ―四万温泉では「一山一家プロジェクト」に取り組んでいる。

 関 36軒の旅館があり、合同で入社式やセミナーを行った。同期の集まりができ、新入社員が考えた企画もある。マスコミに取り上げられることなどで社員のモチベーションが上がり、3年目離職率も30%に半減した。草津やみなかみでも始まっている。

 ―未来の芽創造課の業務内容は。

 谷内田 製造品出荷額や従業員数の減少、若者の流出など地盤沈下が起きている中、変わっていかなければいけない。そのためにも同じ価値観を持つことが大切。モノやお金に過度に依存するのではなく、地域のつながりを重視する価値観を持って人やコトを支える仕事を考える、未来型政策に取り組んでいる。その一つが民間と前橋市による「前橋ビジョン」。企業家でつくる「太陽の会」もできた。

 ―シンクトゥギャザーの取り組みは。

 宗村 電動バス「eCOM―8」は18台販売し、マレーシアにも3台輸出した。桐生市を挙げて協力してくれ、活動が浸透して実りができてきた。

 カーメーカーは実用的な車が多い。日常を離れたところで使う車があってもいい。窓がなく自然の空気に触れ、のんびりゆっくり。新しい発想で作っている。

 ―多胡さんは利用料を音楽で支払う仕組みを導入した。

 多胡 スタジオを借りると都内なら1日20万~30万円かかる。高崎では3万円で貸している。その分、SNSにアップしてもらったり、プレミアムライブを無償でやってもらったりしている。ミュージシャンからはお金じゃない、とプロジェクトに共感してもらえ、実現できないことが実現できている。

 小学生の見学も積極的に受け入れている。生の楽器の音を聴かせ、機材を使って校歌をレコーディングしてCDにしてプレゼントする。音楽はどこにでもあふれているが、どう作られているかは知られていない。市が作ったスタジオであり、音楽の街に生まれた子どもたちに音楽にもっともっと興味を持ってもらいたいという思いで始めた。

 ―皆さんの話で重なるのは民間と行政の協力。苦労はあったか。

 宗村 幸せなことに行政と衝突したことはない。すごく理解してもらえている。市からは「桐生に自動車会社ができた」と思ってもらえているのかなと思う。

◎「合同説明会で一歩差がつく」 椎名さんが就活へ助言

 就活セミナーでは、人事コンサルタントの椎名勇太さんが「一歩差をつける合説活用術」と題して講演し、就職活動で意識することを中心にアドバイスした。

 初めに合同起業説明会について「行きたい業界や企業に出合えたり、企業研究がまとめてできるなど、メリットしかない」と、参加することで一歩差がつくと強調。企業を見るチェックポイントや採用担当者への質問事項などを具体的に紹介した。あいさつの仕方や座り方などを参加者全員で実践した。

 県内の大学に通う真下麗奈さん(21)=昭和村=は「相手の話を聞く時の姿勢や態度、採用担当者への具体的な質問例がとても参考になった。早速実践したい」と満足そうに話した。

◎好印象与えるヘアメーク 佐藤さんが学生に解説

 クインテット美容室(前橋市敷島町)の佐藤シゲル代表による「ヘア&メイクアップ講座」には、開始直後から女子学生が集まり、就活に役立つヘアメークを熱心に学んだ。

 佐藤さんは、採用担当者に与える印象の良さについて触れ「就活には、流行ではなく普遍的に良い印象を与えるヘアメークを提案したい」と説明。個別に眉の整え方や、メークの仕方を実演した。まぶたのくすみを隠すためにアイシャドーではなく、ハイライトを使う方法などを伝えた。

 アドバイスを受けた秋山彩奈さん(21)は「茶系のアイシャドーをハイライトにしたら明るく華やかになった」と喜び、隣に設けられた簡易スタジオで履歴書用の証明写真を撮影していた。