地元就職 電車通勤 子育て世代限定 本年度に6市町村 移住定住へ助成

 移住定住促進策として現金を支給する新規事業を、高崎、館林、東吾妻、川場、玉村、明和の少なくとも6市町村が本年度に始めることが4日、上毛新聞の調べで分かった。地元企業への就職を条件にしたり、電車通勤者や子育て世代に限定したりと、地域事情に応じて内容はさまざま。30年以内に県人口が2割以上減るとの推計もあり、域内人口の増加に向けて各自治体は知恵を絞っている。

 首都圏への鉄路のアクセスの良さで移住者を呼び込もうとするのは館林市。市内に転居する東京圏への通勤者に特急料金などの助成を始める。「都内まで電車で約1時間という利便性をアピールしたい」という。

 新幹線利用者を対象にした補助事業は、沼田市が昨年度始めたほか、安中市が来年度の導入を検討している。

 玉村町は文化センター周辺に造成される住宅団地に定住する世帯に5万円の奨励金を出し、高崎市はJR高崎駅周辺の新築マンションの購入者に入居準備費用5万円と固定資産税相当額の4分の1を5年間交付する制度を始める。

 Uターン就職や採用を巡っては、希望しながらも地元企業の情報を得られない学生がいる一方で、採用活動に多額の費用をかけられない中小企業側も人材確保に苦労している状況だ。

 子育て世代を対象に、東吾妻町は住宅取得補助金の交付事業を開始。上限150万円で、移住者には加算金がある。川場村は村内の民間賃貸住宅の居住者に最長5年間、月額で上限1万5千円の家賃補助を始める。

 また、学校の指導や保護者の薦めで就職することがある高校生は、3年以内の早期離職率が4割を超えるため、希望する企業や職種への意識を明確にしてもらい、定着を促す。

 こうした現金支給型の移住定住促進策について批判的な見方もある。高崎経済大の岩崎忠教授(地方自治論)は「根本的な人口減の解決にはならない。自治体間で金額を争うことになる心配もある」と指摘。「補助金ありきではなく、地域に魅力を感じて移住してもらえるようなまちづくりが必要」と訴える。

◎支援策、サイトに一覧 県

 県内への移住や定住を促すため、県はぐんま暮らしポータルサイトで県内市町村の支援策を一覧表にして紹介している。

 今年1月時点で、子どもの医療費無料化と保育料補助は全市町村が実施。「給食費補助」「通学費補助」「公営住宅の紹介」を22市町村が行っている。

 空き家情報・空き家バンクは前橋、昭和など15市町村が運営し、農業体験・ツアーを桐生、沼田、高山、片品、みなかみの5市町村が実施している。桐生、沼田、南牧、甘楽、東吾妻の5市町村はお試し移住施設を設置している。