第2回 夢を語れる街は、 僕らがつくる NPO法人Next Generation

[2018/10/19]
NPO法人Next Generationの 小高広大理事長
25歳以下を対象とした夢を語るコンテスト「My Dream Award in Maebashi(http://yumefes.com/)」が11月23日、前橋市大手町の臨江閣で初開催されます。発起人は、高崎高校在学中にNPO法人Next Generationを立ち上げた小高広大さん(20)。小高さんは10代で「夢=やりたいこと」を見つけ、県内で若者が自分らしく生きるための支援活動を続けています。
 「My Dream Award in Maebashi(通称:夢フェス in 前橋)」はどのようなイベントですか。
小高

25歳以下の若者が、夢について語る文化祭のようなものです。

メインイベントはファイナリストによる夢の公開プレゼンテーションですが、Tシャツを作ったり、夢を語り合えるブースを設けたりと、気軽に楽しめる仕掛けを考えています。

夢というと進学先や職業ばかりが注目されますが、大切なのは「自分が何をしたいか」ではないでしょうか。ただ学校生活の中で、抽象的な夢を考える機会は少ないと思います。夢フェスをきっかけに、夢と本気で向き合える場づくりを進めたいと思っています。

現在の活動を説明する小高さん
いきなり「夢を語って」と言われても、戸惑ったりする人はいませんか。
小高

自分の夢が何か分からないという人は多いですね。そこで夢について考えるセミナーを開き、「過去の体験」「その時どう感じたか」「だから(誰か)のために(何が)したい」をワークシートに書き込んで、夢を言語化してもらいました。

注意点は職業で書かないこと。例えば教師になるといっても、勉強を教えたいのか、人を育てたいのか、やりたいことはそれぞれ違うはず。職業で考えると、夢の範囲が狭まって、かえってミスマッチにつながりやすいと思います。親の意向や世間の雰囲気に流されて、何となく進学先や就職を決めた後、本当にやりたいことではなかったと気付いたというケースは自分の周りでもよく聞きます。

セミナーで使った夢を語るためのワークシート
小高さんのように進学校出身で、進学せずに起業する人は群馬では珍しいのでは。
小高

大学進学しなかったのは、学年で僕ひとりでしたね(笑)。もちろん親や周囲からは反対されましたし、進学して在学中に起業する道もあったと思います。

でも、東京には同じような人がたくさんいて、埋もれてしまう怖さもありました。高校時代から都内のNPO法人で活動していましたが、東京と群馬を行き来する中で情報格差を強く感じました。

今回の夢フェスのようなイベントも、都内では数多く開催されています。でも、県内では学校外で自分の将来と向き合う場が少なく、情報があっても若者には届きにくいのが現状です。後輩たちには、自分が体験したような情報格差を感じてほしくないというのが「Next Generation」を立ち上げた理由です。

「Next Generation」はどのような活動をしていますか。
小高

2016年11月にNPO法人と同名の会社を設立し、2年になります。県内の高校生や大学生、社会人が会員となり、今では90人の大所帯になりました。

企画としては、中高生がすごろくで人生設計を学ぶイベントや、若者目線で前橋市の活性化策を考えて実践する「若者会議×まえばし2030」などを開催しています。

小中学生への学習支援も好評ですね。企画や運営、広報は各プロジェクトのメンバーに任せています。ここでやりたいことを見つけ、自分たちでNPOを立ち上げる高校生もいるなど、学校外の学びの受け皿になっていると実感しています。

小高さんが講師を務めた夏休みの実験教室
若者定住促進キャンペーン「ぐんま愛プロジェクト」でも、若い人に地元のよさをどう伝えるかという課題を抱えています。
小高

意識の高い若者が多い一方、全体的に当事者意識は低いと思います。行政や企業、メディアがどんなに情報発信しても、自分に関係ないと思われたらスルーされてしまいます。関心を持ってもらうには、若者を巻き込むことが大切です。夢フェスでは「#夢を語ろう」でやりたいことを投稿してもらい、みんなでつくるイベントという意識付けを図っています。

夢フェスの次のステージとして、来年からは実践型インターンのコーディネートを始めるつもりです。年内にサイトを立ち上げ、年度内にはリアルな交流場所をつくる予定です。

若者と行政、企業が一緒に実施するプロジェクトが増えれば、群馬で働くことと自分のやりたいことが合致し、結果的に県内での就職や定住につながるのではないでしょうか。

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