長野原町

計画発表から70年近くの時を経て、八ツ場ダムが完成した長野原町。ダムによって生まれた「八ツ場あがつま湖」では今月下旬、水陸両用バスの運行が始まるほか、8月からはカヌーやカヤック、バンジージャンプ、キャンプなどの営業も開始。アウトドアアクティビティーを核とした観光が動きだす。

始動 やんば新時代

八ツ場ダム建設に伴う生活再建の一環で、町にはさまざまな施設が整備される。道の駅・八ツ場ふるさと館やクラインガルテンやんば、日帰り温泉「王湯」などは既に営業。今月から秋にかけて、川原湯温泉あそびの基地NOAや八ツ場林ふるさと公園、八ツ場ふるさと工房、八ツ場湖の駅・丸岩などがオープン予定で、湖周辺は県内有数のレジャースポットとなる。

今月下旬には県内初の水陸両用バスの運行を開始。町のマスコットキャラクターなどを描いたカラフルなバスで湖周辺や湖上を遊覧できる。ゆったりとした時間を過ごしたい人には、初心者でも安心なカヌーやカヤックがお勧めだ。昨年営業して好評だったバンジージャンプも再開する。

JR吾妻線・川原湯温泉駅隣に造られたNOAは、八ツ場観光の拠点となる複合施設だ。食事や温泉、キャンプ、バーベキューなどを楽しめる。

「八ツ場あがつま湖」は、レジャーだけでなく学びの場にもなる。来年3月完成予定のやんば天明泥流ミュージアムでは、1783(天明3)年の浅間山大噴火に関連する出土遺物を展示したり、噴火の再現映像を見られる。こうした施設も活用しながら、町や下流域の歴史、自然の恵みや脅威を学べる場として、発信していく。

水陸両用バス

水陸両用バス 水陸両用バス

旧長野原町役場をモチーフにした八ツ場湖の駅・丸岩を拠点に運行。道の駅・八ツ場ふるさと館に停留所を設ける。湖周辺を約80分で巡る。1日5便運行。料金は大人3500円。営業期間は11月末まで。問い合わせは町ダム対策課(0279・82・3035)へ。

バンジージャンプ

バンジージャンプ

ダムに一番近い八ツ場大橋からダムに向かって飛び出す爽快感は格別で、圧倒的なスケール感が人気だ。営業期間は8月から。料金は1万1000円、各種割引あり。問い合わせはバンジー・ジャパン(0278・72・8133)へ。

カヌー・カヤック・SUP

カヌー・カヤック・SUP

カヌーやカヤックは初心者でも安心、SUP(スタンドアップパドルボード)はボードの上に立ち、パドルをこいで水面を進むアクティビティー。料金は7000円~(事前予約制)。問い合わせは川原湯温泉駅キャンプ場(090・6942・1223)へ。

キャンプ・バーベキュー

キャンプ・バーベキュー

NOA併設のキャンプ場。八ツ場あがつま湖を見下ろす高台で、バーベキューやキャンプ、オートキャンプを楽しめる。キャンプ場利用料金は3800円~。8月1日営業開始。問い合わせは川原湯温泉駅キャンプ場(090・6942・1223)へ。

川原湯温泉あそびの基地NOA

川原湯温泉あそびの基地NOA

JR吾妻線・川原湯温泉駅に隣接した複合施設で、地元住民らでつくる会社が運営する。喫茶や温泉を楽しめる。営業時間は9時~17時。問い合わせは同施設(070・4146・2790)へ。

豊かな自然環境 充実した時間を

長野原町長 萩原睦男

新型コロナウイルスの感染拡大で、日々の生活は大きく変わりました。そして、これからは「ウィズコロナ」の時代だと言われています。

「八ツ場あがつま湖」から浅間山まで続く自然の中で、さまざまなアウトドアアクティビティーを楽しめる長野原町は、こうした時代であっても、安心して充実した時間を過ごすことができます。夏には多彩なアクティビティーの営業が始まります。

「八ツ場あがつま湖」周辺にはレジャー施設のほか、浅間山大噴火で発生した泥流をテーマとした博物館も整備します。大人だけでなく、将来を担う子どもたちが、アウトドアアクティビティーや施設を通して水に親しむとともに、水の怖さや八ツ場ダムの歴史、下流都県とのつながりなどを学べる―。そんな長野原町でありたいと願っています。