中之条町

神秘的な野反湖、貴重な高山植物の宝庫である芳ケ平など自然美にあふれ、豊かな温泉資源にも恵まれている中之条町。少子高齢化の中、2年に1度の現代アートの祭典「中之条ビエンナーレ」は交流人口増加に大きく貢献している。町は交流人口を移住、定住へとつなげていくために「移住促進プロジェクト」を進めている。

花と湯の町なかのじょう

窓口設け 移住を支援

伊能正夫町長

移住に関する住宅・就職などの総合的な相談窓口である「移住コーディネーター」をお願いし、中之条町の暮らしを親切、丁寧にご案内しています。現代アートと地域が共につくりあげるアートイベント「中之条ビエンナーレ」など数多くの町おこしイベントを開催しています。

「婚活・結婚・出産・育児」を全力で応援しています。出会いの場づくりから子育てまで、総合的な少子化対策および子育て支援に取り組んでいます。

農業を始めたい方々への就農支援、空き家を利用したチャレンジショップ出店支援にも取り組んでいます。

「花と湯の町なかのじょう」、魅力あふれる中之条町にぜひお越しください。

「中之条ビエンナーレ2015」の様子

中之条町は6月、人口減少対策の一環として、移住希望者の相談を総合的に扱うワンストップ窓口を設置した。移住コーディネーターは専属で「住まい」・「仕事」・「子育て」など、移住に関するさまざまな相談に応えるほか、地域と移住希望者とのパイプ役になり、新生活がスムーズに送れる仕組みづくりを進める。

移住コーディネーター  村上久美子さん(31)

親身にサポート

町の日常の暮らしを知ってもらいたいと、移住希望者に手作りの小冊子を手渡している。

自身も6年前、結婚を機に中之条町へ来た“移住”経験者。「住む場所や仕事、地域の人々とのコミュニケーションなど、より近い立場で話しができると思います。親身に、トータルにサポートします」と話す。

体動かして 働く喜び

花の生産者 海保克之さん(46)

サラリーマン時代に花づくりに興味を持ち、山形で農業生産法人の研修生として鉢花の生産に携わった。独立を目指して9年前に六合地区に移住。体を動かして働く喜びを感じながら、100アールの畑でオランダセダム、アルケミラなど30種類を育てている。

今年、初めて研修生を受け入れた。自身が六合地区に来たときは、生産者たちの指導とサポートを受け、宿根草を無償で提供してもらった。早くから生活の見通しが立ったのもそのおかげ。後進の指導に自然と力が入る。

花づくりは地道な仕事だ。就農を希望する人に「やりたいと思ったことがやれる。こつこつやれば結果が出せる。心配いらない」とエールを送る。自分の感性で選び、育てた花が市場で評価された時は、やりがいと手応えを感じる。試験的に何種類も作ったり、出荷後にどう使われているか、どんな花が求められているか、今も研究を欠かさない。

家族との時間増えた

中之条町観光協会 八並光相(やつなみみつとも)さん(32)

「町の人が『よく来てくれた』と温かく迎えてくれたおかげで、早く解け込めた」。今年4月、妻の出身地、中之条町に東京から移り住み、町の観光協会で働いている。

佐賀県生まれ。田舎暮らしに憧れ、結婚した6年前から、いつか中之条で暮らしたいと考えていた。帰省するたびに「広報なかのじょう」を眺め、昨年秋、やっと今の仕事を見つけた。

初めは町のPRを“よそ者”がしてもいいものかと葛藤があったが、先輩に付いて町内の名所を巡り、休日は妻子とドライブがてら散策。町の魅力を肌で感じ、観光パンフレットの情報よりも掘り下げていくにつれ、“よそ者”の視点がプラスに働くようになった。

移住して半年。住みよい町だと実感している。自然豊かな暮らしのおかげで体調が良くなった。家族と過ごす時間が増えたことが何よりも幸せだ。