中之条町

自然美と景観美、豊かな温泉資源にも恵まれた中之条町。4月1日には、新たに中之条ガーデンズ(旧花の駅美野原)、中之条山の上庭園(旧花の駅花楽の里)が加わり、「花フェスタ春2018」、「第24回全国花のまちづくり中之条大会」などのイベントも開催される予定だ。交流人口増を目指し、中之条町が進めている「花のまちづくり」にフォーカスした。


「花」軸に 交流人口増

中之条町長 伊能 正夫

野反湖やラムサール条約に登録された芳ヶ平湿地群などの自然美に加え、重伝建&日本遺産の赤岩地区、さらに群馬県を代表する四万、沢渡をはじめとする9つもの温泉など、中之条町は地域資源に恵まれています。

豊かな自然美を生かし、町内では元来、花いっぱい運動が盛ん。ポピー祭り、やまゆり祭り、れんげの里フェスティバルなど花をテーマとしたイベントに加え、花の駅美野原、花の駅花楽の里などがあり、花のまちづくりを進めているところです。4月1日には、花の駅美野原が中之条ガーデンズ、花の駅花楽の里が中之条山の上庭園に生まれ変わります。

吾妻地域は人口減少が深刻で、そのための対策が急務です。花を基軸とした中之条ならではの風景づくりと温泉や温かい人情などをアピールし、交流人口増に結びつけたいと考えています。

2年に1度の「中之条ビエンナーレ」に加え、今年5回目の「スパトレイル」、7回目となる「中之条まちなか5時間リレーマラソン」など、仕掛けづくりも着々と進行中です。中之条ガーデンズや中之条山の上庭園を基軸に、町の魅力を広く訴えていきます。

魅力あふれる中之条町の今後にぜひご期待ください。

「花」 テーマパーク 一新

高山植物の宝庫として知られる野反湖やラムサール条約に登録された日本屈指の高層湿原である芳ヶ平湿地群。そして、バラエティ豊かな9つの温泉。中之条町は、変化に富んだ自然と温泉という魅力的な観光資源に恵まれている。

町内には花の駅美野原と花の駅花楽の里という2つの花のテーマパークがある。4月1日には、それぞれ中之条ガーデンズ、中之条山の上庭園に名称が変更される。

12万平方メートルの園内に数百種類の植物が季節を彩る中之条ガーデンズは、日本初の女性樹木医、塚本こなみ氏の監修、デザイナー吉谷博光氏の総合プランニング・ガーデンデザインによって、現在、リニューアルが進められている。既に昨年スパイラルガーデンが完成。7月にはローズガーデンが完成し、プレオープンする。最終的には5つのガーデンが造られ、2020年にグランドオープン予定だ。

一方、中之条山の上庭園は標高1000メートルの高原にあり、ハーブガーデンと高山植物からなる。20キロ離れた両庭園は1万本の花桃で埋め尽くされた花桃街道で結ばれている。

「庭園」で 多彩な催し

中之条ガーデンズでは4月21、22日の2日間、「花フェスタ春2018」のオープニングイベントが開催される。ライブやお笑い、ダンス、ノルディックウォーキングなど多彩な催しが楽しめる。

さらに、中之条ガーデンズがプレオープンする7月には21~23日まで町内で「第24回全国花のまちづくり中之条大会」が開かれ、花のまちづくりに関する詳細発表やリニューアルに関わったクリエイターによるパネルディスカッションも行われる予定だ。

2つの庭園とともに、交流人口増を目指してきた中之条は新たなステージに向かおうとしている。「庭園は完成が終わりではなくて始まり。長い時間をかけて成長していくものです。ぜひ、その始まりから見守ってみませんか」と中之条ガーデンを構想している吉谷氏は語る。

芸術活動を バックアップ

 中之条町は2016年6月、人口減少対策の一環として移住希望者の相談を総合的に扱うワンストップ窓口を設置し、専属のコーディネーターがサポートを行っている。また、昨年からは、アーティストのために旧伊参小学校を活用した伊参芸術文化創造施設『イサマムラ』の一室をアトリエとして低価格で貸し出している。

現在、現代美術のさまざまな領域を専門とするアーティストが、ここを拠点に中之条町に移住して作品制作を行っているところだ。昨年5月に移住した写真家の人見将さんは「ビエンナーレなど作品を発表する場を町にバックアップしていただけることが大きい。山暮らしと芸術活動で、面白い毎日です」と語る。一方、9月から中之条町に拠点を移し、神社をモチーフに撮影を行う写真家の糸井潤さんは、「広いアトリエを借りることができ、制作環境は最高です。この環境は、手放したくないですね」と喜ぶ。

糸井さんら移住アーティスト6人の発案による展覧会「拝啓、うつり住みまして」が開催される。「毎年続けていきたい。作品が常設展示できるようなスペースもつくりたい」と参加移住者は意欲的だ。