昭和村

1958(昭和33)年に合併で昭和村が誕生して、ことし60周年を迎えた。赤城山の北西麓に位置し、寒暖差や夏場の涼しさを生かした高原野菜やコンニャクイモの産地として成長。豊かな農村風景と新鮮野菜を観光分野に生かし、「小さくても美しく輝くオンリーワンの村」として発展してきた。2018年11月1日午後1時から、村公民館(同村糸井)で記念式典を開き、節目の年を祝った。

小さくても 美しく輝く 11月1日 村公民館で記念式典

昭和中の生徒と交流する園児たち。緑豊かな環境が子どもたちの健やかな成長を見守る=村第一保育園

約4割が農地

農業が盛んで、村の面積の約4割を畑が占める。全国一の生産量を誇るコンニャクイモのほか、レタス、ホウレンソウ、トウモロコシなどの産地として有名。早くから大規模化に取り組み、農業就業人口は総人口の約2割に上る。平均年齢は57.5歳と全国値と比べて若く、異業種からの新規就農が増えている。

武尊山や子持山を背にした広大な農村風景は、村の観光資源にもなっている。2009年には「河岸段丘と農村風景」や「歴史を残す家並みと横井戸」が評価されて「日本で最も美しい村」連合に加盟。現在は条例で建物の高さや色彩などを規制して、景観保全に取り組んでいる。

IC核に整備

首都圏から車で約80分というアクセスの良さも魅力だ。関越道昭和インターチェンジ(IC)の向かいには48ヘクタールの関屋工業団地があり、キャノン電子や味の素ファインテクノ、藤森工業などの大手企業が進出。雇用創出や産業の活性化につながっている。

県道昭和インター線(森下工区)のバイパス整備によって、さらなるアクセス向上が期待される。同線は国道17号と昭和ICをつなぐアクセス道だが、現在は交差点が多く、道幅も狭いため改善を求める声が上がっていた。本年度は用地買収を進め、23年度の開通を見込んでいる。

若者定住に力

村の人口は1985(昭和60)年以降ゆるやかに減少し、今年10月1日現在は7476人。40年後には5千人を下回ると推計され村は人口減少や少子高齢化対策として子育て支援に力を入れる。

子育て世代の経済的な負担を減らすため、①第1子の年間保育料の3割程度を支給②第2子以降の保育料無料③2歳未満の子を持つ保護者にオムツ代支給(月額4千円)④中学生までの医療費無料⑤6カ月~中学3年生の季節性インフルエンザ接種費用補助(上限4千円)⑥小中学生の遠距離通学費補助ーなどを実施。学童クラブは村内3カ所の小学校全てに整備し、一時保育や子育て支援センターなどの充実を図って仕事と育児の両立を支える。

配偶者のいる45歳以下の人が、村内に新築住宅を建設する際には最大100万円を支援する。14年度から事業を始め、これまでに70件の利用があった。住宅の改築や修繕といったリフォームにも最大20万円の補助を用意。村の活力維持のため、次世代を担う若い世帯の定住促進に力を入れている。

60年のあゆみ
1958年
久呂保村と糸之瀬村が合併して昭和村が誕生(人口1万421人)
61年
境界変更により生越地区編入
70年
役場庁舎完成
87年
村民憲章、村の花・木・鳥制定
90年
昭和中学校開校
98年
昭和インターチェンジ開通、農産物直売所「旬菜館」オープン
99年
昭和関屋工業団地造成工事完成
2000年
全国町村会から優良町村として表彰される
02年
昭和の森ゴルフ場・山荘オープン
05年
横浜市と「災害時における相互応援に関する協定」締結
07年
茨城県取手市と「災害時相互応援に関する協定」締結
09年
「日本で最も美しい村」連合に加盟
11年
村消防団が特別表彰「まとい」受章、道の駅「あぐりーむ昭和」オープン
12年
玉村町と「友好交流協定」締結
13年
横浜市と「友好交流協定」締結
14年
記録的な大雪でビニールハウスの倒壊など大きな被害
15年
第1回やさい王国昭和村河岸段丘ハーフマラソン開催
16年
固定系防災行政無線開局
17年
地方自治法施工70周年記念式典で昭和村が総理大臣賞受賞
18年
合併60周年記念式典開催、総人口7476人(10月1日現在)

新鮮野菜と農体験
道の駅あぐりーむ昭和 (昭和村森下)

道の駅あぐりーむ昭和

農産物直売所「旬菜館」には新鮮な野菜や果物、花きが並び、多くの買い物客が訪れる=写真。特産のレタスやコンニャク加工品のほか、これから旬を迎えるハクサイやダイコン、リンゴなどもお薦めだ。

隣接する農園では収穫体験や農作業が楽しめる。普段食べている野菜がどう育っているのかを知る「食育」の場として、県内外の親子連れに親しまれているという。

昭和ICに近接しており、アクセスの良さも魅力。食堂や足湯、レンタサイクルもあり、日帰り観光の拠点として観光客でにぎわう。新鮮な野菜を使ったスムージーやクレープも人気だ。

営業時間は午前9時~午後6時(11月~3月は~午後5時)。問い合わせはあぐりーむ昭和(0278-25-4831)へ。

住民参加で 元気な村

村制60周年を迎えて 昭和村長 堤 盛吉

―村制60周年を振り返って、村の「今」をどう捉えるのか。
1958年の合併以降、昭和村は農業を基幹産業とする「自主自立の村」として発展してきました。60年前、ここは決して豊かな土地ではなく、育てられる作物には限りがありました。先人たちが用水整備や土地改良といった努力を重ねた結果、遊休農地がほとんどないほど農業が盛んになりました。
農業後継者や新規就農者が多いのも特徴で、早くから大規模化や経営の安定化に取り組んできました。課題となる人手不足については、すでに多くの外国人技能実習生を受け入れていて、今後一層の施策充実を図っていきたいと考えます。
―景観や農産物などの地域資源をどう生かしていくのか。
農産物のブランド力を高めるため、海外輸出を視野に入れた販路拡大を目指していまりす。都心からのアクセめスの良さを生かして、「あぐりーむ昭和」を拠点とした観光農業もPRしています。
豊かな農村風景は村の財産です。これを守り、次世代へ伝えるため、2009年に「日本で最も美しい村」連合に加盟、15年に景観条例を整備しました。
―少子高齢化による人口減社会への取り組みは。
若者の都市部への流出は、全国の自治体が抱える悩みです。1998年に昭和インターチェンジが開通し、周辺に工業団地が整備されました。現在は多くの優良企業が進出し、村内の雇用創出につながっています。働く場子育て世代への施策を手厚くしています。
若者だけでなく、子どもから高齢者まで安心して暮らせる環境づくりを重視しています。スポーツイベントの充実、通学路や主要道路の整備に加え、職員による避難訓練や自主防災組織の拡充といった災害への備えに力を注ぎます。
―次の10年に向けた目標は。
昭和村は人口7千人余りの小さな村です。それだけに地域密着型の行政運営ができ、住民の協力が得やすいメリットがあります。赤城山の登山道整備や「河岸段丘ハーフマラソン」はいずれも住民の要望を受けて実現した事業であり、多くの村民がボランティアとして関わっています。
村総合計画のスローガンは「みんなでつくろう元気な昭和村」です。住んでいるみんなが活躍できて幸せを感じられるような村を住民参加型でつくり上げたいと考えます。

「第5回やさい王国昭和村河岸段丘ハーフマラソン」が5月26日、村総合運動公園を発着点に開かれる。200メートル以上の標高差を駆け抜けるハーフなど3コース。主催する同マラソン実行委員会(堤盛吉委員長)が12月1日~3月17日に出場者を募集する。

定員と参加費はハーフマラソン(800人、4000円)5キロ(400人、一般3500円・中学生2000円)、2キロ(300組、小学生2000円、ペア4000円)。参加賞としてタオルや野菜などが贈られる。エントリーは12月から、インターネットサイトの「スポーツエントリー」の専用ページや専用電話番号(0570-039-846)などで受け付ける。問い合わせは村企画課(0278-24-5111)へ。