藤岡市

「群馬の玄関口」として高速道路網が充実する藤岡市。豊かな自然に囲まれ、田舎暮らしを楽しめる一方、東京まで約1時間で行くこともできる。地域医療を担う公立藤岡総合病院が昨年新たなスタートを切り、医療サービスが充実するなど生活していく上でも市の魅力はますます上がっている。

高速道路網充実 「群馬の玄関口」
大勢の人が触れ合い、 藤岡市の交流拠点となっているららん藤岡。 夏は爽やかな噴水が暑さを忘れさせ、 冬はイルミネーションが夜を彩り(写真右)、 幻想的な雰囲気を味わえる。 イルミネーションは1月末まで
定住支援事業
  • 第3子以降の保育料無料
  • 託児付きレディース検診
  • 誕生記念樹の贈呈
  • 子育て応援券
  • 遠距離児童・生徒の通学費補助
  • 空き家バンク制度
  • 多世代ファミリーの同居支援増改築費の補助

山の仕事をつなぐ

今井 陽樹[ひのき]さん(32)

プロのスノーボーダーを目指して20歳の時にカナダに渡った今井陽樹さん。その自然に触れ「山の仕事がしたい」と、帰国後は林業に職を求めた。ハローワークで見つけた多野東部森林組合の職員となり、2010年妻と共に藤岡市に移り住んだ。「藤岡は山仕事をするには最高の場所。山が近く、街暮らしもできる」と話す。

植え付け、下草刈り、枝打ち、間伐、伐採と組合の仕事に打ち込むうち、出合ったのがチェーンソーを使っての伐木競技。14年の第1回日本伐木チャンピオンシップに出場し、2位となり、世界大会の日本代表メンバー入りした。

一昨年7月、市内の古民家を購入し暮らし始めた。昨年11月には2人目の子どもが生まれた。「生活の中で大切にしているのは『食』。藤岡は食と子育てに良い環境がある」と満足そうに話す。

サラリーマンを辞め独立し、樹上特殊伐採や森林整備を行う「ひのきや」を16年7月立ち上げ、今年1月から本格始動した。「今は競技が生活の中心。自分自身の技術向上だけでなく、次世代への技術伝承にもつなげ、山の仕事を社会に発信したい」と前を見据える。

地域医療支える拠点に

公立藤岡総合病院

藤岡市をはじめとする4市町村で構成する多野藤岡医療事務市町村組合運営の公立藤岡総合病院(同市中栗須)は、これまで分離していた入院機能と外来機能を統合し、新しい時代の中核病院として昨年11月オープンした。

医療機能の強化として救急医療の充実、災害時の対応、周産期医療、高度専門医療の充実を掲げる。救急センターは手術室とHCUをエレベーターで直接結ぶことで重症患者の診断・診療の効率を図った。小児科と産婦人科をワンフロアに集約し、より安心して出産できる環境を整備。高度専門医療の充実では、特にがん診療で最新医療機器「PET-CT」を導入し、より高度な医療の提供が可能となった。

最高品質の医療サービスを提供するため、患者支援センター、緩和ケアセンターを新たに整備し、療養環境も充実した。がんの進行による全身的苦痛に対応する緩和ケア病床(8床)や、在宅復帰を推進するために回復期リハビリ病棟(48床)を設けた。

新年度からは歯科口腔外科・形成外科を新設し、高い専門性と総合的な診療で地域を支えていく。