群馬県の北東部、武尊山の南麓に広がる農山村、川場村。一貫して里山や田園景観を活かした「田園理想郷」の村づくりに取り組み、大人気の道の駅「川場田園プラザ」やブランド米「雪ほたか」で注目を集めてきた。近年は森林資源を活かしたグリーンバリュープログラム「木材コンビナート構想」を具現化している。

川場村

外山京太郎村長に聞く 地域資源の 木を活かす

農業+観光を貫く

川場村は、いち早く農業+観光の村づくりを打ち出し、ホテルSL(現・ホテル田園プラザ)、世田谷区との縁組協定、道の駅「川場田園プラザ」、ブランド米「雪ほたか」など、地域資源を生かした取り組みを行ってきました。

田園プラザでは、年々バージョンアップを行い、農業の6次産業化にも積極的に取り組み、全国モデル道の駅にも選ばれています。現在は、地元の酪農家が生産する生乳を用いたフレッシュチーズの開発に取り組んでいるところです。年間集客は180万人に達し、約7割がリピーター。年間200万人の集客を目標に、進化を続けています。

昨年、「雪ほたか」は、米・食味分析鑑定コンクール国際大会(国際総合部門)で全国初となる10回目の金賞を受賞。さらにコメ販売の東洋ライス(東京都)が選ぶ「世界最高米」に認定されました。

「水源」守りたい

一方、川場村は面積の83%を森林が占め、かつては林業が基幹産業の一つ。しかし、輸入木材の増加に伴い、国産材の価格が低迷し、山の手入れは十分になされない状況が続いていました。「雪ほたか」をはじめとする村の農業を育む水源を守る意味でも、山をよみがえらせたいという思いが強くなったのです。

そこで、2012年、志を共にする東京農業大学や清水建設と「元気なふるさとづくり協定」を結び、調査検討を重ねて木材コンビナート事業を構想しました。その構想を具現化するために2015年、川場村が中心となって設立したのが株式会社ウッドビレジ川場です。 

その後、地域木材活用の拠点となる製材施設、木質チップを利用する木質バイオマス発電施設が完成し、稼働を始めています。廃熱利用の農業ハウスも整備し、既にいちご栽培をスタートしています。

新たな大改造構想も

さらに、人口減少社会を生き抜いていくため、「30年ビジョン」を描いています。役場庁舎を南隣の土地に新築し、敷地内には有名シェフが食を提供するキッチンスタジアム、見本市などを開くマルシェホールをはじめ大学・研究機関のサテライト、交流ホールなどをレイアウトする予定です。地元の小中学校では小中一貫教育を実現させ、人材育成にも尽力していきたいと考えています。