長野原町
都市部から人口減少・高齢化が進む地域へ移住して活性化に取り組む「地域おこし協力隊」。長野原町は今春酪農ヘルパーとして5人を迎え、酪農という地域産業の振興を通して地域力強化を目指す。
町長 あいさつ
酪農は長野原町における産業の大きな柱となっています。しかし、ヘルパーの人材不足は深刻でした。今回の地域おこし協力隊に酪農ヘルパーとして着任してもらうプロジェクトは、酪農家の皆さんやJA、そして長野原町がしっかりとタッグを組んで作り上げたものです。
若い力が町内で活躍してもらえることは大変喜ばしいことです。着任された地域おこし協力隊員の皆さんのご活躍に心から期待します。
経験を地域に恩返し 前野 自分の道を探したい 萩尾
町南部の応桑・北軽井沢地区に今春、酪農業をサポートする地域おこし協力隊の若者5人が移り住む。酪農ヘルパーとして、酪農家の仕事を手伝いながら技術や知識を学び、将来の自立を目指す。
2月には東京都出身の2人が先行して赴任した。前野祥悟さん(28)は動物関連の仕事を志望し専門学校卒業後は北海道の農場でのアルバイトなどをしていた。「満員電車での1時間半の通勤に耐えられず東京での生活が限界だった。北軽井沢は初めての地だけど、車での移動が楽しい」と話す。早朝からの仕事や、慣れない機械との格闘に悩みながらも酪農作業に充実した毎日を送る。酪農家の野球チームにも加わり交流を深める。
萩尾佑樹さん(21)は前野さんと同じ専門学校で学び、いろいろな動物関連の仕事をしたいと応募した。「仕事は専門学校で学び経験済み。北軽井沢は“小さな北海道”という感じ。2月の寒さも心配したほどではなかった。小さいころから山の近くに住みたかった」と浅間山を望む地での生活を楽しむ。登山が趣味で春になったら山登りをしたいと笑顔をみせる。
協力隊の任期は3年間。萩尾さんは「今は酪農の仕事を学び、3年後に自分の道を見つけたい」と話す。前野さんは「30歳も近いので将来を見据えて酪農の仕事を確認したい。酪農ヘルパーの経験を生かし地域に恩返しできれば」と前を見据える。
同地区の酪農家は人手不足のため病気やけがでも入院できなかったり、冠婚葬祭への出席もままならないという。JAあがつま北軽井沢応桑酪農部会の安斉仁部会長は「若い5人に一人前のヘルパーとなってもらい、組織化するなどして根付いてもらえれば。この地の酪農業発展に力を合わせていきたい」と期待する。
JAあがつま酪農部の浅井達也さんは「町が3年間かけてプロの酪農ヘルパーを育てる試み。3年後にさまざまな選択肢の中から自分の道を選んでほしい」と話す。
群馬での就農 目指す
農業大学校で酪農を学びましたが、まだまだ技術と知識が足りないと感じ、酪農家を助けながら自分自身を向上できればと応募しました。都会の人混みが苦手なので長野原の環境は大好きです。将来、群馬での就農を目指して頑張ります。
将来にわたり 酪農を
動物園での就職が希望だったが浅間牧場で研修し、酪農に魅力を感じ応募しました。北軽井沢の景色は今まで見たことがなく新鮮。ヘルパーの仕事は酪農家さんによって異なるので一つ一つ覚え、将来にわたって酪農の仕事に携わりたい。
早く仕事を 覚えたい
農業高校の食品科で製造、流通、栄養などを学びました。やりたい仕事が分からなかったところ、先生から地域おこし協力隊・酪農ヘルパーを紹介してもらった。一番年下で経験もないけど仕事を早く覚えて酪農家の力になりたい。