高山村
高山村は、群馬県の北西部に位置し、子持山や十二ケ岳などの緑豊かな山々に抱かれた高原地帯。恵まれた自然環境の中、四季折々の花を観賞できるほか、温泉が湧き、キャンプ場や高原牧場などもある。中でも村の大きな「資源」となっているのが星空だ。天体観察に優れていることから、県立ぐんま天文台が整備されており、満天の星を楽しめる「星舞う故郷」として魅力発信に磨きをかける。
笑顔で輝く村に
春の新緑から年間を通して四季折々の美しい表情を見せてくれる高山村。現在はおいしい米の収穫時期が終わり、紅葉の美しい里山風景が広がっています。
本村ですくすく育つ子どもたちは、幼保小中一貫教育を受けています。また、語学力の向上と国際性豊かな青少年の育成を図るため、平成12年から中学生海外派遣事業を実施し、現在までに計776名が参加しています。村はこの事業の参加費の3分の2補助や、英語検定・漢字検定受験の10割補助、ALTの配置等も行っています。
村の交流拠点である道の駅「中山盆地」では、新鮮な高原野菜がたくさん並べられ、村民の活気と笑顔で溢れています。
また、現在道の駅に隣接する公園(高山ふれあいパーク)の造成が進められており、来春にオープン予定です。交流人口を増やし、更なる「笑顔で輝く高山村」に向かって邁進してまいります。
地域一体で子ども育成
英会話を教えていた石坂さん、塾講師の割田さん、大学生生活を含む6年間をカナダで過ごした平形さんの3人は2014年、外国語活動推進サークルTEACH(Takayama English Activity and Culture Hour)を立ち上げた。
高山村や日本を積極的に世界に発信できる子どもに育ってほしいと願い、低学年の小学生を対象とした「子ども英会話教室」を村教育委員会に提案、すぐに採択された。迅速な対応に「互いに顔が見える関係の高山村だからできたこと」と笑顔を見せる。
現在は、外国語指導助手(ALT)と協力しながら中学生を対象とした英会話教室と英語教室も開催。音楽を流したり、ゲームを取り入れるなど、学校の授業とは一味違うアプローチが、子どもの心をとらえ、緊張をゆっくりとほぐす。
3人は「自分から言葉を発することで子どもたちは自信を得て、キラキラと輝く。そんな姿を見られるのは大きなやりがい」と顔をほころばせる。「学校と地域が一体となり、みんなで子どもを育てること」が理想だが、「高山村ならきっとできる」と確信している。
英語に漬かり一層大好きに
今夏、高山村が18年前から主催する海外派遣事業に参加、オーストラリアにホームステイをして高山中の姉妹校を訪れた。
初めての海外は目に映るものすべてが新鮮だった。姉妹校は規模が大きく、生徒たちが大人っぽいので驚いた。
みんな気軽に話しかけてくれたが、「知らない単語が多く、話すスピードも速くて、初めのうちは聞き取れなかった」と振り返る。だが、一緒に学校探検やスタンプラリーをするなど、終日英語にどっぷり漬かるうちに自然と聞き取れるようになったという。
一方、話す方は初めからスムーズだった。「村が放課後に計画してくれた英会話教室が役立った。日常生活のシーンを想定した会話を1年間かけて学んだのが生かせた」と自信をのぞかせる。
今回の体験を通して一層英語が好きになった。将来の夢は、医療関係の仕事に就き、国境を超えた活動をすること。村の取り組みで面白さに目覚めた英語が、夢を後押しする。